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HOME > アープは断然、ライブがいい。 > Vol.22 ワンマンライブ 「光」
アープは断然、ライブがいい。
Vol.22 ワンマンライブ 「光」

エントランスから、長い廊下を進み、螺旋階段を昇る。
ホール独特の、冷えた空気に迎えられ、まだ何もない、誰もいない会場に足を踏み入れた。

微かにフラッシュバックした、半年前の音、人、声。


急ピッチでセッティングが進む中、あん朱は声だしへの余念がない。今宵の調子はいかほどか。とてもいい顔をしている。
濱田はというと、こちらもリハに向けて頭がいっぱいだ。入念に作業のチェックをする表情は、今の彼の気持ちをそのまま映しているのだろう。

Wombには、既に思い入れがある。あえて何かとは言わないが、
この会場で、もう一度やらねばならない理由がある。
ふたりは今、それをどう感じ、ステージ立とうとしているのか。
言葉ではなく、音楽で、それをどう表現するのか。
リハーサルを見つめながら、複雑な感情が僕の心には湧いていた。


この日を待ってくれたファンたちが、続々と会場に足を運ぶ。
誰もが穏やかな表情で、その瞬間を待ってくれている。

期待と熱気で会場が埋め尽くされたとき、ふたりは、それに呼ばれるようにステージへ向かった。


薄暗い霧の中から静かな管楽器、弦の音。
そして、一気に解放。

-PROUD-anzu01.PNG
濱田が生み出した数百人のオーケストラにarpの後ろで奏でる3人の弦奏者。
そしてのびやかなあん朱の声。そのいきなりの疾走感と迫力に圧倒される。
「どうもありがとう」その声に大きな拍手が向けられた。

次は-さよなら、さよなら、-

切ない旋律をヴァイオリンが美しく奏でる。-over-と続けて、勢いがどんどん加速。
ここまで、息つく暇もない。
「最後まで、一緒にライブを創っていって下さい。」
あん朱が短く挨拶をし、小休止。

今度はゆっくりと、優しく響きだしたピアノの音。

anzu02.PNG-シャッター-
「笑って、笑って、」と会場に向かってシャッターをおろすあん朱。
もっともっと楽しんでという気持の表れだ。

続いて-うそつき-
切ないのに心暖まる、失恋の曲。

ここまで、全てNew album「arp」のオンパレード。
この緊張感を見越してか、ここで濱田がとっておきの秘策を繰り出した。

題して、「すごい才能を発掘しちゃいました。」のコーナー。
大それた名前だが、ただのお絵かきコーナーである。
会場の大ウケとリラックスを獲得し、してやったりの濱田。
ダメな部分を見られてもう歌に説得力がない。とあん朱。
自然と和む空気を作ることできるようになった、大きな成長だ。

oekaki.PNG


その盛り上がった空気の中、続いては-YES-
あん朱が笑顔でハンドクラップを促し、会場が一つになる。
そして次に用意された曲は、なんと-Starlight Stardust-
ここまで来たら勢い止まらず、-桜-
初めて感じた、これまでにない一体感だった。

katari01.PNG
「あとは任せた。」と席を立つ濱田。
そう、次はあん朱弾き語り。連敗中のあん朱が、リベンジをかけて今回選んだ曲は、新曲-irony-
New Albumにどうしても入れたかった曲を、自分の手と声だけで。
最高の弾き語りを演じた彼女に、惜しみない拍手が送られた。


hama03.PNG
バトンタッチして入ってきた濱田、そして弦奏者3人。
今回の協力者は、全員がその道の第一線。
4人で奏でるのは、-人対地球-
叫びが、聞こえる。
今、何をすべきか、彼の問いかけが全て詰まった楽曲だった。




ライブは後半戦。

hama02.PNG
名曲-飾リハ捨テテー、-満月-と続き、
弦の音色が悲しくなるほど美しい-金木犀-
曲一番愛しく魅せる-横顔―
arpの軸は、やはりここにあると実感した。






「このアルバムを出すまでに、本当に色んなことがあった。」
あん朱が、自分を落ち着かせるように話しだした。

「過去の事実は変えられない。でも、思いだし方は変えられる。」
3rd album「arp」。
前作Life Palleteより2年半。
その決していいことばかりだったとは言えない出来事たちを、今彼女は自分の糧としてこの道を進みだした。
そして、彼女が自分に言い聞かせるように歌い出したのこの曲。

-Reborn-


「運命なんて存在しない。私達の未来は、私達のもの。」
スクリーンに映し出された、あの時の言葉。anzu04.PNG


そう、あの時、誰もが想像していなかった「今」が、ここに広がっている。

運命などではなく、「光」のさす方向へ、歩き続けた終着点。

「このアルバムが、あなたの光になれたら。」

最終曲 -光のさすほうへ-


世の中に、明日への不安を持たずに生きていられる人など、何人いるのだろう。
きっと、今僕の隣にいる見知らぬ誰かも、同じように心のどこかで小さな恐怖と闘いながら生きているのだろうと思う。
それは、あん朱も、濱田も同じだろう。
今日の彼らは、人に笑いと涙、そして感動を与え、でもそんな、“人間”の部分を見せてくれた。
光は、誰かの道しるべになりえた。そう思う。

新生arp 最終章、完。

光の射していた、その先へ。arpは進む。

all01.PNG



                                       Mura Jun



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