11月21日。秋空は青く、とても高い。
既に3連休の装いを見せる渋谷の街。
それと同じように、いや、それ以上に早くここではとある準備が進められている。
- arpデビュー五周年企画 53本の放射線4Days Live -
今年最後にして最大の挑戦が、間もなく始まる。
いつものように、いつもとは違う場所に舞台がある、ライブハウス「多作」
客席も舞台も、以前より心無し広く感じるのは気のせいか。
「椅子を変えて、ゆったり感が増しました。」と、多作フロアマネージャーの飯田氏。
この日のために変えてくれたという、考え難い心遣い。
4日間でリリースした全ての楽曲を演奏するという、ある意味ワンマンライブより遥かに過酷なこの企画。
チケットは全日sold out。その時間、僅か6分。
待ち侘びたファン達へ、全日程、全力で歌うと心に誓うarp。
初日は勿論、1st album「Everything is Beatiful」。
未だ、根強くファンの中で人気がある1枚。僕がarpとであったのも、この1枚だった。
リハーサル中のフロアは、座っているだけだと少し寒い。
僅か36.5度だが、集まる人の上げる温度は、上着を一枚脱がす。
ただそれだけのものではない。
forestと共に、照明の色が変わる。
そして暗闇が、歴史を辿る旅の始まりを告げる。
-桜- -優しくなりたい- -愛をしよう- と、今でもarpの代名詞である曲達が次々と披露される。
今まで歌い続けてきた「Everything is Beatiful」の曲達。
振り返るとは言えど、あん朱の歌声も、濱田の演奏も、arp史上今が最高であるということは間違いない。
1st Singleより-Good Night - そして、-反動 -はギターverで。
-Shiver -はあん朱弾き語り。これもまた、格段の上達をみせていた。
MCは、アルバムをリリースした当時の話へ。ふたりの出会いから、レコーディングの苦労。今初めて公に明かされることも多々。
ひとしきり話しまくり、後半戦。
-沈黙と青い空- -Everything is beatiful- そして、-ウレシ泣キ-
一気にスピードUPし、最後はやはりこの曲。
初めてこの曲を歌ったとき、あん朱は何を思って歌い、今、何を感じ、この場に立っているのだろう。
5年前とは、背負うものも、抱えるものも違う。
ここにもいるであろう、このアルバムでarpを知った人達も、それはきっと同じだ。
変わらないことといえば、ボーカリストがすぐ涙目になってしまうこと。それくらいだろうか。
53本の放射線、-Everything is Beatiful-終了。
改めて、ここでarpのルーツを確認した。
2日目、2nd album「Life Palette」
今日集まった53人。スタッフも含め、この作品に想い入れがあり、この作品が好きだと感じてくれているに違いない。ただ1人を除いては。
1、2曲目は、-夕立- -Nevermore-と、2nd Singleより。
あん朱が昨日より、格段に通る声で53人を迎え、いよいよここから「Life Palette」の世界へ。
この作品がリリースされ、とあるCDショップに沢山置かれていた事を話した時。
確かその時だったと思うが、濱田が僕に「おれはあの作品が好きになれない。」と話した。
衝撃だった。それから彼は、まだ何も知らなかった僕に、"社会のしくみ"を話してくれた。
あれから約三年。彼の気持ちは今日まで変わることはなかった。
ここから彼は、どのように音を奏でるのか。
-アルペジオ- -恋煩い-と、懐かしい曲達が披露される。
そして、メインMC。話はやはり、当時の話へ。
前レーベルとの契約が終わり、事務所も離れ、arpは完全に孤立。
ただ、その中で行なった、Live of -Life Palette- 「運命」では、DUOを超満員にした彼ら。
この作品をリリースしたからこそ見えた、arpとしてのあるべき姿を見つけられたのだろう。
後半戦は、-Starlight Stardust-から始まり、-キラリ-へ。
自然と手拍子が起きる会場。
あん朱が好きだという-My Love is Here-。-ウレシ泣キ-では、その美しさに涙を添えて。
最終曲 -満月-
力強いピアノとギター。その上で、あん朱は存分に声を躍らせる。
イベントライブで、一曲目に何度もこの曲を歌った。この曲に魅せられてここに座る人も多いはず。
終演を迎える直前、「なんとなく、前よりこの作品を愛せた気がする。」と語った濱田。
それは間違いなく、目の前の53人が起こした奇跡。
自分の作品で、人からもらった大きなプレゼントだった。
3日目、あっという間に後半戦。
3rd album 「arp」 そして今日は、Mini album 「>Redirect」からも演奏される。
まだ演奏回数を重ねていない曲が多いため、リハーサルも充分に時間をかける。
2日間の疲れが気になったが、その心配はなさそうだ。
本番、-飾リハ捨テテ-からスタート。
新生arpの名刺代わりの一曲。
続いて-over-。ギターの音色が、曲の切れ味を深くする。
「この日を待っていた。」という感情が、arpから滲み出ている。
あん朱の声からも、濱田の演奏からも。
-さよなら、さよなら、- -シャッター- 対極の歌達も、ただただ美しく聴こえる。
-irony-は勿論、あん朱弾き語り。そしてうそつきはギターverで。
-PROUD- -それでいいの?-では、小さな空間に何千ものオーケストラを呼び出す。
迫力、圧巻。
MC。現在のarp。
今までの全てがここに繋がり、その結果がこの作品である。ということ。
3rd album 「arp」は自信を持って言える、最高の作品。ということ。
アーティストとしての喜びを、彼らはやっと感じることができたのかも知れない。
ここからは、魂の曲達。
-金木犀- -横顔- そして、-わたしのこえ-。
間違いなく、傑作である。
ここまで、35曲。残すは、あと1曲。
ここに集った人々の心を掴み、動かし。そして何より、arp自身の希望。
最究曲 -光のさすほうへ-
放射線は、しっかりと人々の心に届いただろうか。
その涙の理由が、そうであれば。と願う。
最終日、「best」はありったけの力をその選び抜いた曲にのせて。
そして53人は、初めて聞くことができた、彼らの歌声でそれに答えた。
これ以上にない至近距離。
音楽を肌で感じるということは、まさにこの事である。
そのことにより、新境地を開いた彼ら。
次のライブでは、一体何をすればこの4日間を超えられるだろう。
正直、今はまだわからない。
ただ、ふたりは必ずこれを超える。今までと同じように。
それもきっと、大きく。
2009年1月10日。
-280本の放射線@DUO MUSIC EXCHANGE-
その可能性は、無限大である。
Thank you for all TASAKU staff, and all audience...
Mura Jun
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