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大宮あん朱インタビュー for  ワンマンライブ「零」

いつかその先で、心地よい疲れの中、一緒に笑い合いたいなって思う


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「7月7日の『君』ライブのときは、来年1月は結構先のことだと思っていたけれど、あっという間ですね。」

月日が流れるのは早い。大人になればなる程。だが、大人になればなるほど、成長の速度は落ちていくのだ。普通の人は。だが、この女性は恐らくそんな道理に沿って生きていない気がする。

「WOMBはarpが今まで一度も出演したことのない会場で、それまで出演させてもらったライブハウスとは雰囲気も異なる場所なんです。前回の『君』ライブで、バンドスタイルを初お披露目しましたが、またきっと新鮮なarpを感じてもらえるんじゃないかと思っています。
『わたしのこえ~53本の放射線~』は人数も限定で、くつろげるアットホームなライブの方向性ですが、『零』ライブは、それとはある意味反対の側面を見せられるようなドラマティックなライブになると思います。」

現在、アルバム作成の真っ只中。当然、その殆どが『零』でお披露目されるのだ。レコーディングの状況を聞くと、実に彼女らしい言葉が返ってきた。

「まだレコーディングは終わっていないんだけど、順調です。とにかく新しいCDを出せることが本当に幸せ・・・!とても愛のある現場なので、そんな幸福感も、周りの方から受け取った愛も、充実感も、作品の背景に感じてもらえると思う。
今の新スタッフと出会ったからこそ出来た、「OVER」「それでいいの?」「おやすみなさい」「金木犀」など、ヘヴィーでダークな楽曲は、わたしの中で貴重な存在価値。それまで、詞に関してネガティブな表現にセーブをかけていた部分は無意識にあったんだけど、そのタガを良い具合に外してもらえたんだよね。オブラートに包まないヘヴィーでディープな曲たちが生まれたことによって、既に‘自己実現’とか‘表現者としてやりたいこと’を勘違いされることはないなって、ある種の信用が生まれました。だから逆にすごく溌溂としたものだったり、弾けたPOPな曲を歌いたいという欲望とか冒険心が沸きましたね。自由度が上がったと思います。1月に発売される作品は、そんなふりこ幅で描いた新曲たちの中から、arpワールドへのエントランス(入り口)になるような楽曲たちを選びました。それでいてするめタイプというか。5年後も変わらず歌える曲なんじゃないかな?具体的な曲目は、まだお伝えできません(笑)。」

『零』が待ち遠しい。それは、僕やファンだけでなく、アーティスト自身も同じことを感じている。
言葉の節々からそれを感じる。
だが、彼女はその前に大きな挑戦をする。『金木犀モノ語リ』。大宮あん朱一人舞台だ。

「『金木犀モノ語リ』は、ライブと言うより舞台という位置付けです。「」Life Palette」や『君』などの単独ライブは、楽曲にしろMCにしろ、本当に素のままだし、arpが歩んできた道のりとその背中がそのまま現れている、言ってみればノン・フィクション、ドキュメンタリーだと思うんですね。でも、その生々しさを大切にするからこそ、真逆の表現に振り切ってみたかったんです。楽曲に関しても、一つの角度からではなく、多面的に感じてもらいたいと思って『金木犀モノ語リ』という舞台にチャレンジしました。つまりフィクションです。作詞家、作り手である大宮という枠を抜けて、徹底的にボーカリスト・演者としての表現に没頭できたらなって。すごく緊張しそうだけど。」

そして、2度目となる『わたしのこえ~53本の放射線~』。
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「『~53本の放射線~』は今年の4月にはじめて開催して。その時期は、過去のライブ活動の中で、ライブハウスの持つ表現スタイルに限界を感じはじめていたんだよね。でもだったら、新しいスタイルを提案しよう、“ないないづくし”ではなく、arpらしくライブハウスを演出させてもらおうって始めたライブだったんです。いらした方はお分かりだと思うんですが。
人数限定・全席指定席というのもarpにとって初だったんですよね。そして、蓋を開けてみたらとても暖かいライブになった。拍手の響きが違ったもん。人数は少ないのに、拍手ひとつひとつに熱を感じた。みんなの顔も活き活きしてて。もしも空気に色がついていたら、あの空間は間違いなく優しいオレンジ色だったと思う。あのライブは、arpが大切にしている、“人と人を繋ぐこと”“心と心が通うこと”がライブスタイルとして表現できたって実感できた。」

そして、彼女は続ける。 きっとこの数年で一番大きく感じたことを付け足して。
「過去の一連の『Life Palette』ライブは、例え2人だけになっても一歩一歩確実に歩いて、出来ることを積み重ねていこうという覚悟を背負った2年間でした。そこでまた、新たな出会いを生んで。arp2人でも歩む覚悟を持ちつつ、新しい仲間と共にもっと強い遠心力で、2人では成しえない規模で活動していこうというスタートが『君』ライブだった。『~53本の放射線~光のさすほうへ』はその序章でもありました。『君』『零』のような単独ライブを中心軸にして、舞台、そして放射線ライブという柱で、arpの多面性を支えていきたいと思っています。今のところは。もしかしたら、これからまた新しい表現に出逢うかもしれないし、削られていくものもあるかもしれないし、柔軟に変化していきたいけれど。だから、「わたしのこえ~53本の放射線~」は流れと言うより、一つの新たな柱です。」

最高の環境・仲間を得て今、ボーカリストとして、表現者として、そして人間として、大宮あん朱は大きく成長をするタイミングにいる。そんな中迎える、『零』そしてニューアルバムのリリース。
その存在を彼女はこう話してくれた。
「リリースと『零』によって、また一つの扉を開けることになるんでしょうね。振り返ると、『Life Palette』ライブの活動前は、わたし自身が挫折とか失望とか落胆とか、そういった感情に日々が塗りつぶされて、目の前が真っ暗だった気がする。光は見当たらなかった。だけど、それでもやっぱり、未来を自分のものにしたかったし、信じたかった。そう思えたこと自体が希望で、感じられる唯一の光だった。そしてその希望が、ライブを行っていくたびに現実に変わったんだよね。本当にみんなのお陰。
そして、やっとarpは歩き始められたから。これからの活動は一歩ずつ確かに、「光のさすほうへ」歩いて行きたいんだ。もっともっと、先を見たい。そして陽を浴びたいんだ。信じて、‘具体的に行動して行けば、理想は現実になるんだ’って、自分の身をもって証明したいんだよね。わたしの音楽人生を賭けて。そして出逢って、繋がれた人達と光のさす路を共に歩きたいし、走りたいし、陽を浴びたい。いつかその先で、心地よい疲れの中、一緒に笑い合いたいなって思う。」


きっと、そんなに遠い話ではない。


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「そんな日が来るか分からないけど、
信じてみたいんだ。」



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